建物や土地などの譲渡によって損失の額数が発生した場合、その損失額を建物や土地など以外の資産の譲渡所得額・他の各種所得額と損益通算することはできないのが原則です。しかし、ある一定のマイホームの譲渡損失額に関しては、他の各種所得や建物・土地以外の譲渡所得と損益通算することが可能で、このような通算をしても控除がしきれない損失額は当概年の次の年以降3年間にわたる繰越控除ができる特例の制度があります。この控除の定めによる損益通算と繰越控除は、以下の順番によります。
損益通算の場合は、最初にその年度分の経常所得額(給与、配当、利子、事業、雑所得など)について損益通算の定めによる控除をし、特例の譲渡損失額を以下のaからgまでの順番で控除を行います。
a.総合短期譲渡所得額
b.総合長期譲渡所得額
c.一時所得額
d.土地などに関わる事業所得などの額数
e.経常所得額
f.山林所得額
g.退職所得額
その上、当該年の前の年以前の3年以内に純損失額があったら、その純損失の繰越控除をし、純損失以外に雑損失もある場合は、純損失の繰り越しを行った後、雑損失の繰越控除もします。純損失や雑損失の順番は、一番古い年度分の損失からとなります。
繰越控除の順番は、最初に当該年度分の損益通算の定めによる控除をします。それから、当該年の前の年以前の3年以内に純損失額があったら、その繰越控除をします。順番は、一番古い年度分の損失からとなります。
純損失の控除が終わったら特例の繰越控除をしますが、順番は以下のaからfまでの金額からとなります
a.分離長期譲渡所得額
b.分離短期譲渡所得額
c.総所得額
d.土地などに関わる事業所得などの額数
e.山林所得額
f.退職所得額
これらの繰越控除が終わった後、雑損失の額数があったら、その繰越控除をします。順番は純損失と同様、一番古い年度分のものからになります。