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Q.上場株式等に関わる配当については、総合課税に代えて申告分離課税を選ぶことも認められているのでしょうか?

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A.平成21年1月1日以降に支払いを受けるべき上場株式等に関わる配当等(一定の大口株主等が受けるものは除外されます。以下同じです)については、総合課税に代えて申告分離課税を選ぶことも認められています。
ただし、申告を行うに当たって、申告を行う上場株式等の配当等の全額につき、総合課税と申告分離課税のいずれかを選択しなければなりません。
申告分離課税の税率については、平成21年1月1日より平成24年12月31日までに支払いを受けるべき上場株式等に関わる配当等の場合には10%(所得税7%、地方税3%)、平成25年に支払いを受けるべきものの場合は10.147%(所得税及び復興特別所得税7.147%、地方税3%)、平成26年1月1日以降に支払いを受けるべきものの場合は20.315%(所得税及び復興特別所得税15.315%、地方税5%)の税率が適用されます。
なお、平成25年より平成49年の各年分の確定申告に際しては、所得税と復興特別所得税(その年分の基準所得税額の2.1%が原則です)の申告と納税を行うこととされています。

1.上場株式等に関わる配当等の源泉徴収
(1)平成21年1月1日より平成24年12月31日までに支払いを受けるべき上場株式等に関わる配当等
10%(所得税7%、地方税3%)の税率によって源泉徴収が行われます。
(2)平成25年1月1日より平成25年12月31日までに支払いを受けるべき上場株式等に関わる配当等
10.147%(所得税及び復興特別所得税7.147%、地方税3%)の税率によって源泉徴収が行われます。
(3)平成26年1月1日以降に支払いを受けるべき上場株式等に関わる配当等
20.315%(所得税及び復興特別所得税15.315%、地方税5%)の税率によって源泉徴収が行われます。
ちなみに、平成25年1月1日より平成49年12月31日までに支払いを受ける配当等に関しては、
所得税のみならず復興特別所得税の源泉徴収が行われます。

2.上場株式等に関わる配当等の申告分離課税
申告分離課税を選んだ上場株式等の配当所得に関しては、配当控除は適用されません。
平成21年以降の年分について、上場株式等に関わる譲渡損失が存在するか、その年の前年以前3
年内の各々の年に発生した上場株式等に関わる譲渡損失のうちで前年までに差し引かれていないものが存在するのであれば、一定の要件の下、申告分離課税を選んだ上場株式等の配当所得より差し引くことが認められています(その上場株式等の配当所得の金額が上限となります)。

3.上場株式等に関わる配当等に係る課税関係
上場株式等に関わる配当等に係る課税関係をまとめると、主に次のようになっています。
(1)確定申告において総合課税を選択した場合
税率は累進税率が適用され、借入金利子の控除や配当控除が適用されます。また、上場株式等に関わる譲渡損失との損益通算はできず、扶養控除等の判定に当たっては上場株式等に関わる配当等が合計所得金額に含まれることとなります。
(2)確定申告において申告分離課税を選択した場合
税率については、平成21年より平成24年までは所得税7%及び地方税3%、平成25年は所得税7.147%及び地方税3%、平成26年以降は所得税15.315%及び地方税5%とされています。借入金利子の控除は適用され、配当控除は適用されません。そして、上場株式等に関わる譲渡損失との損益通算ができます。扶養控除等の判定に当たっては、上場株式等に関わる配当等が合計所得金額に含まれることとなりますが、上場株式等に関わる譲渡損失と申告分離課税を選んだ上場株式等の配当所得との損益通算の特例の適用を受けていればその適用後の金額、上場株式等に関わる譲渡損失の繰越控除の適用を受けていればその適用前の金額とされます。
(3)確定申告不要制度を選択した場合
税率については、平成21年より平成24年までは所得税7%及び地方税3%、平成25年は所得税7.147%及び地方税3%、平成26年以降は所得税15.315%及び地方税5%とされています。借入金利子の控除や配当控除は適用されません。また、上場株式等に関わる譲渡損失との損益通算はできず、扶養控除等の判定に当たって上場株式等に関わる配当等は合計所得金額に含まれません。