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Q.事業所得の金額を算出するに当たって必要経費に算入できる金額を教えてください。

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A.事業所得、不動産所得及び雑所得の金額を算出するに当たって、必要経費に算入できる金額は、次の金額とされています。
・その年に発生した販売費、一般管理費その他業務における費用の額
・総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るために直接必要であった費用の額
個人の業務においては、例えば地代、家賃、水道光熱費、交際費、接待費のように、一つの支出が家事上と業務上の両方に関係する費用(以下「家事関連費」といいます)といえるものが存在します。
家事関連費のうちで次の金額は、必要経費に該当します。
・青色申告者で、取引の記録等を基に、業務を遂行する上で直接必要であったことが明白に区別できる場合におけるその区別できる金額
・主な部分が業務を遂行する上で必要であって、かつ、業務に必要である部分を明白に区別することが可能である場合におけるその区別できる金額

1.必要経費に該当するものと該当しないものの具体例
生計を一にする配偶者その他の親族に払う地代家賃等は必要経費に該当せず、受領した者についても所得としては考えないといえます。このことは、土地や家屋のみならず、その他の資産を借りた場合についても同じです。ただ、子供が生計を一にする父親より業務のために借りた土地や建物に課税される固定資産税等の費用については、子供が営む業務の必要経費に該当します。
また、生計を一にする配偶者その他の親族に払う給与賃金(青色事業専従者給与は除外されます)は、必要経費に該当しません。なお、青色申告者ではない者についての事業専従者控除の金額は、必要経費として取り扱われます。
業務のための借入金(業務用資産の購入のための借入金等)の利息は、必要経費とされます。なお、不動産所得を生ずべき業務の用に供する土地等を取得するために必要であった負債の利子の額は、不動産所得の計算上必要経費に該当します。しかし、不動産所得の金額が損失(赤字)になった場合には、その負債の利子の額に当たる部分の損失の額は発生しなかったものとして取り扱われ、他の所得金額との損益通算は不可能とされています。
業務用資産の取壊し、除却、滅失の損失や、業務用資産の修繕に必要であった費用は、一定の場合以外は必要経費とされます。
事業税はその全額が必要経費とされますが、固定資産税については業務用の部分のみが必要経費とされます。所得税や住民税は必要経費とされません。
罰金、科料、過料等や、公務員に対する賄賂等は、必要経費に該当しません。

2.必要経費の算入時期
必要経費とされる金額は、その年において債務の確定した金額(債務の確定によらない減価償却費等の費用も存在します)であるといえます。すなわち、その年に払っていてもその年に債務が確定していないものはその年の必要経費とはされませんし、 逆に払っていなくても、その年に債務が確定しているものはその年の必要経費とされます。
上記の場合において「その年に債務が確定している」というのは、次に掲げる条件の全てに当てはまる場合のことです。
・その年の12月31日までに債務が成立していること。
・その年の12月31日までにその債務を基に具体的な給付を行うべき原因となる事実が生じていること。
・その年の12月31日までに合理的に金額を算定できること。